2006年09月04日
爽やかな秋空は逆セクハラの思い出
真夏の暑さが次第に弱まってきて確実に秋が訪れつつありますが、湿度も低くてとてもさわやかな気候ですね。こんなさわやかな日々は一年のあいだのほんのごくわずかでしかないのが残念です。
こんなさわやかで穏やかな日々が少しでも長く続いてくれることを願いつつ、雑事に追われてあっと言う間に時間が過ぎてしまうのがもの悲しい気がします。
今日はそんなさわやかで穏やかだったある秋の懐かしくも、少し悲しみの記憶がある話しです。
コーチ歴がまだ2年くらいだったころの夏の終わりです。セミが最後の力を振り絞って懸命に鳴く声がとどろく昼過ぎのレッスンでした。初中級クラスというところで、午後にいらっしゃるテニスクラブ会員の年配のご婦人が多い時間でした。
そのなかにかなり強烈なキャラクターの方がいて、どういう感じかというと顔は最近の美輪明宏にそっくりで声はドラえもんの大山のぶ代という50代後半くらいのおば様です
。
そのおば様、Nさんは見かけだけでなく中身も強烈なんです。それはサラリーマンのオジサンが若いOLに対してするようなことをこのおば様は僕にするのでした
。
たとえば、ボールを拾っていると隣に来て「コーチは彼女いるの?」「えっ、なんですかいきなり、そりゃいますよ」「へー、スクールで知り合った人?」「違います、友達の紹介です」「もうやっちゃったの?
」「・・・
」なんて感じは序の口。
コートサイドでレッスンが終わって休んでいると、たまにお菓子なんかを持ってきてくれることがありました。他のクラスメートの方達もクラブ会員でお互いに仲が良く、そんなときは一緒にお茶の時間でくつろぎます。でも僕はちょっと緊張ですね、だってまた何かイヤらしいこと言われてからかわれる恐れが大ですから。
そしてその日はNさんが「きのこの山」を持ってきていました。ぼくが別の方からコーヒーもらって飲んでいるとNさんはきのこの山を口にイヤらしくくわえながら「コーチのはこのくらいで可愛いんじゃないの?」と言ってぺろぺろと小さいきのこ菓子をなめています。おもわずコーヒーが気管支に入りそうになって咳き込んでいると「あらあら、ほんとにこんな小っちゃかったのね、動揺してるわ、でもコーチ、男はサイズじゃないから、愛とテクニックよ、こんど私が教えてあげようか?」と言うのです。「イヤ、考えただけで恐れ多くて失神しそうなんで結構です」ってようやく言い返します
。
そんなNさんでしたが、決して僕は本気でイヤだとは思っていませんでした。どこか暖かみがあって憎めないというか、なんか引き込められてしまう楽しい人だったからです。
でも、そんな明るくてちょっと困ったNさんだったのにその年の冬に突然、この世を去ってしまいました。悪性の内臓腫瘍だったそうですが、発見されたときにはもう末期で手の施しようがなかったらしいのです。
あまりにも突然のことでお見舞いにも行けずにお別れとなってしまいました。こんなさわやかな夏の終わりになるとそのときの逆セクハラに苦笑したことと、そのあとの突然の出来事が懐かしくも悲しい思いでとなってしまいました。
こんなさわやかで穏やかな日々が少しでも長く続いてくれることを願いつつ、雑事に追われてあっと言う間に時間が過ぎてしまうのがもの悲しい気がします。
今日はそんなさわやかで穏やかだったある秋の懐かしくも、少し悲しみの記憶がある話しです。
コーチ歴がまだ2年くらいだったころの夏の終わりです。セミが最後の力を振り絞って懸命に鳴く声がとどろく昼過ぎのレッスンでした。初中級クラスというところで、午後にいらっしゃるテニスクラブ会員の年配のご婦人が多い時間でした。
そのなかにかなり強烈なキャラクターの方がいて、どういう感じかというと顔は最近の美輪明宏にそっくりで声はドラえもんの大山のぶ代という50代後半くらいのおば様です

そのおば様、Nさんは見かけだけでなく中身も強烈なんです。それはサラリーマンのオジサンが若いOLに対してするようなことをこのおば様は僕にするのでした

たとえば、ボールを拾っていると隣に来て「コーチは彼女いるの?」「えっ、なんですかいきなり、そりゃいますよ」「へー、スクールで知り合った人?」「違います、友達の紹介です」「もうやっちゃったの?


コートサイドでレッスンが終わって休んでいると、たまにお菓子なんかを持ってきてくれることがありました。他のクラスメートの方達もクラブ会員でお互いに仲が良く、そんなときは一緒にお茶の時間でくつろぎます。でも僕はちょっと緊張ですね、だってまた何かイヤらしいこと言われてからかわれる恐れが大ですから。
そしてその日はNさんが「きのこの山」を持ってきていました。ぼくが別の方からコーヒーもらって飲んでいるとNさんはきのこの山を口にイヤらしくくわえながら「コーチのはこのくらいで可愛いんじゃないの?」と言ってぺろぺろと小さいきのこ菓子をなめています。おもわずコーヒーが気管支に入りそうになって咳き込んでいると「あらあら、ほんとにこんな小っちゃかったのね、動揺してるわ、でもコーチ、男はサイズじゃないから、愛とテクニックよ、こんど私が教えてあげようか?」と言うのです。「イヤ、考えただけで恐れ多くて失神しそうなんで結構です」ってようやく言い返します

そんなNさんでしたが、決して僕は本気でイヤだとは思っていませんでした。どこか暖かみがあって憎めないというか、なんか引き込められてしまう楽しい人だったからです。
でも、そんな明るくてちょっと困ったNさんだったのにその年の冬に突然、この世を去ってしまいました。悪性の内臓腫瘍だったそうですが、発見されたときにはもう末期で手の施しようがなかったらしいのです。
あまりにも突然のことでお見舞いにも行けずにお別れとなってしまいました。こんなさわやかな夏の終わりになるとそのときの逆セクハラに苦笑したことと、そのあとの突然の出来事が懐かしくも悲しい思いでとなってしまいました。