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徒然球 スポーツカメラマン志望でテニスの写真を撮りたくて行ったテニススクールでたまたまバイトすることになり、そのまま楽しくテニスコーチを続けてしまい気づいたらもう20年以上が過ぎていた。そんな長いようであっと言う間のテニスコーチ生活の回想録や日頃の出来事や思ったことなどを徒然なるままに書き連ねてみようと思います。どうぞよろしく!

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忘れん坊将軍

 来るべき高齢化社会を反映して、かつてはとても珍しかった70歳代以上の初心者の入会が少しずつ増えています。
そう言う方の場合、まったくテニスの経験がないこともさることながら、スポーツの経験そのものがなかったり、いわゆる習い事というものがまったく初めてだったりします。

 今日は、そういうトリプル初心者でおまけに軽いアルツハイマー症気味のHさんを中心にその他にもいらっしゃるご年配グループの大変だけど、笑ってしまうエピソードのいくつかをお届けします。

 平日の午前クラスで二つめのクラスには最近、年配の方が増えていてHさんも今年で76歳になる男性で半年くらい前に入会しました。お名前がH○吉宗という方で、たぶん徳川八代将軍から取ったのだと思います。

 入会にあたり僕がお試しコースというのでレベルチェックを最初にしたときのことです。自己申告でHさんは「試合にでたことがある」という欄にチェックがありました。だから僕は「ああ、わりと打てるのだろうな」と思い、準備体操のあとにその旨を話しました。以下はそのやりとりです。

 僕「こんにちは、試合にお出になっていらっしゃるんですね」Hさん「えっ、試合ってなんの試合?」僕「・・・、テ、テニスの試合ですけどビミョー」Hさん「そんなもの出たことありゃせんよ!私はテニスなんかしたことないからね」僕「あれー?それじゃー、ここに印つけたのはお間違えになったんですね?」Hさん「イヤ、試合には出たことあるよ、碁とか将棋とかは得意だから」僕「・・・、あのこれはテニスについてのことなので、碁とか将棋じゃないんですけど」
Hさん「あー、テニスのことなのか、そりゃ失礼しましたね」

 そんな感じで聞いていくと結局はHさんは「まったくテニスの経験などない」と胸を張って断言するのでした。それでしかたなく急遽、初心者レッスンとなってしまいました。
まずフォアハンドの握り方から説明したんでですが、ラケットの打球面に利き腕の手のひらをあわせてと言うやり方です。それを説明するとそのときには一応、Hさんもきちんと握れていたのでそのグリップでボールをついてもらうことにしました。

 僕がボールつきを見せて「ゆっくりとこうしてついてみてください」と言って促しました。するとHさんはまず初めの段階でラケットの真ん中にボールが当たりません。だらか2打めを打とうとしてもボールはあらぬ方向にいくか、弾みが弱すぎてダメです。なんどかやってみてダメになると突然にHさんはベンチに向かって歩き出し、そして座り込みました。 

 僕「Hさん、どうしたんですか?」Hさん「えっ、ああ疲れたので休んでるんですわ」僕「でもまだ始めたばかりですよ、これくらいで疲れちゃったらテニスできませんよ」Hさん「いやいや、もう年だからね、先生、あなたは何歳ですか?」僕「今年で4○歳ですけど」Hさん「えー、ほんとですか、もっと若いと思うたよ、20歳くらいに見えなさるね」僕「えー、そうですかそりゃちょっと嬉しいですね」Hさんマジ顔で「冗談ですよ、そないに喜ばれたら困るがね」僕「くっ・・・」と言って顔を引きつらせて絶句!ぷんぷん
 
 そんなこんなで結局そのときはボールを2回つくのに15分くらいかかって、手出しのボールは何度やっても2バウンドめにしか打てなくてもう時間切れ。

 そしてそのときはまだどのクラスに入るか未定だったので僕は「あーあ、この人を担当するコーチは大変だな」と他人ごとのように思いました。でもその3日あとから僕のクラスに入ることになったのでした。そしてその入会初日のレッスンにいらしたHさんに僕は「おはようございますHさん、どうぞよろしくお願いします」と挨拶しました。すると僕の顔を3日ぶりで見たHさんはこう挨拶を返して来ました。

 「どうも初めまして、年寄りなんでお手柔らかにお願いします 」

 それからのことはもうどれほど苦労があったか、涙なくしては書けません冷や汗。それは冗談ですが、でも笑いすぎて涙が出てくることは何度がありました。それはまた次の機会に書きます。
日記 | 投稿者 coach365 02:27 | コメント(0)| トラックバック(0)
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